霜始降 10月24日は霜始降です! 秋の早朝に、畑を横目に散歩していると、栽培されている野菜の表面にうっすらと氷の結晶が付着していることに気づきます。霜降です。一瞬、ぶるっと寒さを感じ、秋の深まりを覚えます。虚子の句は、自分がふいと感じたことでもあって、そう思わせるところが、やっぱり巧いですね。 霜は、空から降ってくるというイメージを抱きがちですが、そうではありません。地面や物などの表面が放射冷却によって冷え,その上に空気中の水蒸気が直接、昇華して氷(結晶)ができる状態をいいます。この氷が霜です。霜降といいますが、雪のように霜が空中から降りてくるのではないのです。目に見えない空気中の水蒸気が、氷になるのです。 霜の形を虫めがね(散歩に携行するといい。望遠鏡は怪しまれますが……)で見ると、霜の形は雪の結晶と同じです。しかし、この結晶は長くは持ちません。初秋の白露と同じで、太陽が顔をのぞかせると、霜はすぐに消えてしまいます。 早暁の薄ぼんやりの状態にあって、白い霜は、季節の訪れをいち早く自分だけに知らせてくれたようで、寝坊している奴には味わえないことだと、朝の散歩者は少しばかり悦な気分になれるのです。 散歩者にとって、霜は美しいものですが、霜の降りる日は寒いわけです。それは農作物にとっても同じことで、この時期に、農作物は霜害(そうがい)にしばしば襲われます。 霜が降りるのは気温3℃以下といわれます。0℃で凍るものと思っていたら、これが3℃なのです。気温観測では3℃であっても、地表面の温度は放射冷却によって冷やされていて、地表面の温度は0℃以下となっていることがままあるのです。油断していると、霜にふいと襲われます。殊に、周囲より窪んだ地形や谷底などは、冷気が溜まりやすく霜も降りやすく、このような場所は、霜道や霜穴と呼ばれています。
by laboratory2003621
| 2011-10-25 10:19
| ロマン
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